ブログをお読み下さいましてありがとうございます。
今回はタイトルの通り、コーナリングに関するお話です。
プロ選手の映像や、一緒に走るサイクリスト仲間の中でコーナリングが上手い人の真似をしてもなぜか同じように曲がれないことありませんか?
多少の誤差はあってもほぼ同じ速度、同じフォーム、同じ侵入角度なのに上級者のようにキレイに曲がれない。サイクリングにハマっていらっしゃる方でしたら一度は経験があるのではないでしょうか。実に不思議ですよね。
そんな疑問を今回は少し深掘りしてみようと思います。
※このブログでは「重心」という言葉を、鉛直方向座標における質量中心位置ではなく、荷重の配分という意味で使用します。
キーワードは「重心位置」
冒頭で
「ほぼ同じ速度、同じフォーム、同じ侵入角度なのに上級者のようにキレイに曲がれない」
と書きました。
上の三つの要素には共通点があります。
その共通点とは、目に見えることです。
ということは…
原因は目に見えない(見えにくい)ところにあります!
百聞は一見にしかずですので、さっそく下の写真を見比べて見ましょう。
左側と右側で実は全く違うフォームを取っているのですが、その違いが分かりますでしょうか。
おそらく一緒に見える方がほとんどだと思います。
タイトルでもう察しがついているかもしれませんが、違いは荷重の配分です。
自転車に乗っている時、体重をハンドル、サドル、ペダルで支えることになります。各箇所での体重の配分を記載した状態で先程の写真をもう一度見てみましょう。
いかがでしょうか。全く違いますよね。
数字はあくまで感覚的なものではありますが、左側ではシューズの中でソールから足の裏が離れるくらいサドルとハンドルで全体重を支えていますし、右側ではハンドルには手を添えているだけでいつでも離せる状態ですしサドルからお尻を少し浮かせています。
重要なのはこんなに極端に変えても見た目がほぼ変わらないということです。
ですので、視覚を頼りに形だけ上級者のマネをしてもなかなか上手くいかない訳です。
大抵の場合、左側のハンドルとサドルの配分が大き状態となっており、いわゆる重心が高い状態になってしまうことで不安定になってしまっています。
ペダル荷重を大きくしてあげることで重心を低くすることができ、コーナリングが安定します。
(力学をご存知の方には上記の表現にすごく違和感を感じると思います。サイクリストと自転車を一つの系として見た時の質量中心位置は当然変わりません。しかし、乗車時の車体のロールの回転中心はタイヤ接地部であり、そこを基準にしたモーメントを考えるとサドルやハンドルの位置に力点があるより、ペダルの位置に力点がある方が腕長さが短くなり、ロール方向のモーメントが小さくなるため、ローリングを抑制でき乗車姿勢が安定すると私は考えています。できるかぎり全ての方にお伝えできるように、このブログでは少し変な表現をさせて頂きました。)
おまけ
速度、フォーム、侵入角度に加えて重心位置もバッチリ!…なのにまだ曲がれない。
ということが実は起こり得ます。
「え!?そこまでやってもダメなの!?もう無理じゃん!」
とお思いになるかもしれませんが、ご安心下さい。
そこまでやってダメならもうそれはあなたのせいではありません。
タイヤを変えましょう。
タイヤはモデルによってグリップの強さやクセが全く違います。
自転車は機材スポーツですので、体も機材もどっちも重要です。ご自身の走り方に合う物を選ぶようにしましょう。
タイヤの他にもフレームやホイールの剛性などが影響しますが、剛性で違いが出るレベルでキンキンにコーナリングを攻めることはそうそうないと思いますので、まずはタイヤから試してみて下さい。
まとめ
ということで今回はひと目見ただけでは気付きにくい走りの要素について軽く解説しました。
見える部分をマネることも非常に重要ですが、見えない部分が意外と肝だったりします。今回扱った内容以外にも、見ただけではわからない自転車の秘密は沢山あります。サイクリストの仲間の輪を広げ、交流を深めるのにはそういった自分一人だけでは気付けないような事を学べるというメリットがある訳です。
Bianchi Bike Storeではそういった走り方やタイヤの各モデルの特徴などに関するご相談も賜っております。
お客様のサイクルライフ充実をぜひお手伝いさせてください。
皆さまのご来店を心よりお待ちしております。
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