人気のサイクルスポーツ。サイクルロードレースなどをはじめとする競技スポーツから、ゆっくり景色や食べものを楽しむサイクリングまで様々あります。そんなサイクルスポーツの魅力を、プロフェッショナルコーチの青山剛氏の視点で毎月発信していきます。



Vol.7「えっ?!パンツ履かないの~?!」
~ロードバイクはこのスタイルで乗るべし!~


ビアンキアンバサダーの青山剛です。

今年から始まったこのコラムでは、サイクルスポーツの魅力や運動効果、そしてその正しい方法などをプロフェッショナルコーチの視点で紹介しています。

前回は自転車に乗る時に持って行くモノや、自転車に装備して欲しいモノを紹介しました。
今回は乗る時のウェアや装備品を紹介します。

■自転車専用のモノを着るべし!

今回は自転車でも「ロードバイク編」として紹介します。私のホームコースの江戸川サイクリングロードでも、せっかく凄いロードバイクに乗っているのに、そのウェアなどが△の方が多く見られます。 なぜ△かというと「自転車専用のウェアや装備」ではないからです。特にロードバイクに乗る時は、街乗り自転車などに比べてスピードも出ますから、安全面も考えて自転車専用のウェアと装備にして欲しいのです。



■自転車専用ウェアはコレだ!

まずはロードバイクに乗る時にウェアから。
サイクルジャージは、普通のスポーツウェアに比べてピッチリしています。それは空気抵抗の削減のためでもありますが、バタバタとしていると何かに引っかかったりして危ないからです。また、転んだ(落車)時にも、擦過傷を少なくしてくれるようにも出来ています。落車時で多いのは肩回りと骨盤横あたりを地面にぶつけて擦れますので、特にいくら真夏の暑い時でも、ノースリーブで乗るのはNGです。そして自転車のウェアで最も特徴的なのはサイクルパンツです。写真はそれを裏返したものですが、このようにパットが付いていてサドルとお尻の圧迫を軽減したり、股ずれを予防してくれます。 写真のようにビブショーツといって肩紐がついているモノがよりお勧めです。ウェストで締めることがなく、サイクルパンツがズレづらいのです。

また一番肝心なのはこのサイクルパンツの下には基本的に「下着を履かない」ということです。いわゆるノーパンでサイクルパンツは履くように設計されています。よく初心者は下着を履いているようですが、それが股ずれやムレの原因にもなりますので。

ウェアに下にメッシュ状のインナーウェアを着ると、サイクルジャージがべたづかずより快適です。

ウェアの最後はソックスとグローブです。せっかくかっこいいサイクルウェアを着ているのにランニングソックスの方がよくいます(笑)。もちろんそれでも構いませんが、最近のサイクルソックスは少し長めがトレンドで、空気抵抗が削減できるようですよ。

グローブは初心者ほど必須です。落車時に手のひらを地面につくケースが多く、グローブの有無で怪我の度合いが格段に変わります。また乗車時に手の衝撃を軽減したり汗で滑ったりも少なくなります。最近メカニックさんに聞いたのですが、グローブをしないで乗る人の自転車は、ブレーキブラケット内に汗がたくさん入って故障の原因にもなっているそうです。

■ヘルメットは絶対義務!


昨年からロードバイクに限らず街乗りでもヘルメットが努力義務となりましたが、ロードバイクに限っては「絶対義務」にしなければなりません。またその正しい被り方は写真のようになります。前髪やオデコが出ているようでしたらNG。またあごのストラップは写真のように指2本がギリギリ入るくらいしっかり締めてください。

またサングラスはロードバイクでは必須と言えるでしょう。まぶしさの軽減だけではなく虫やゴミ、また飛び石などから眼を守ってくれます。写真のように天候に合わせてレンズの色を変えるとより快適です。

最後にサイクルシューズです。ロードバイクに慣れるまではフラットペダルにランニングシューズでも構いません。しかし慣れてきたら写真のようにビンディング(ペダルにシューズがくっつく)にしましょう。そうすることで回すペダリングを行うことが出来ますし、実はビンディングの方が転んだ時に怪我が少ないとも言われています。

またビンディングシューズに慣れないうちは、そのソールの硬さから足の裏が痛くなる方も多いようです。その場合、写真のように成形方インソールを使うとよいでしょう。ロードバイク選手の大半は、この成形方インソールを使っていますし、私も30年愛用しています。

というわけで、どうせロードバイクを乗るなら最適な格好で
快適に安全に走りましょう!

次回は快適に乗るための服装や装備品を紹介します!


Vol.1「サイクルスポーツの魅力とは?!」

Vol.2「移動がエクササイズに代わる乗り方とは?!~ママチャリでも美脚に!~」

Vol.3「サイクリングロードへレッツゴー!!」

Vol.4「グルメライドは絶対太らない!?」

Vol.5「あなたのサドルの高さ、合っていますか?!」

Vol.6「何を持って乗ればいいの?!」

*いつものプロフィール写真

■青山 剛 (あおやま たけし)
元トライアスロン日本代表。その後コーチに転身しトライアスロン女子五輪代表を輩出。
現在はプロフェッショナルコーチとして競技者から子ども、シニアまで幅広い層にトレーニング指導を行っている。全国で講演、セミナー、教室なども開催中。著書多数。
国内唯一のビアンキブランドアンバサダーとして、正しいサイクルスポーツの普及発展にもあたっている。