昨年末に発表されたオールラウンドバイク「新型SPECIALISSIMA COMP/PRO/RC」をスタッフが乗り比べてきました。
店頭では同サイズのグレード違いを乗り比べて頂く機会が少ないので、スタッフの感じた違いをお伝えさせて頂きます。
新型SPECIALISSIMAは一昨年発売されたOLTRE と同様にCOMP/PRO/RCの3グレード展開となっており、事前にスペックだけ見るとコンポーネントの価格差とフレームのカーボン素材の違いによる走行性能の違いがあるように見えましたが、実際に乗ってみると各グレードで別々のキャラクターを持っている事が分かりました。
メーカーもCOMP/PRO/RCは上下関係で作っているのではなく、
「各モデルに求められる最高の性能を与えている」と発表しています。
今回はこの各グレードの違いについてお伝え出来ればと思います。
SPECIALISSIMA COMP
グレード構成の中では一番お買い求め安いモデルになるのがCOMPです。
試乗前は正直「それなり」の性能だろうと思っていましたが、試乗してすぐ「これで十分じゃないか？これ以上の性能は必要か？」と思うほどバランスの良いモデルである事に気づきました。
加速するときの剛性感もちょうどよく、登りでバイクを振っても気持ちよく乗れます。
一世代前のSPECIALISSIMA CV DISCと比較したらトータルバランスで勝っているとまでは言えませんが、二世代前のハイエンドバイクと比較した時、COMPの方が良いと思う方も多いのではないでしょか？
そして、完成車としてご購入後に平地用にエアロホイールを、コンポーネントを少しずつグレードアップなど、カスタマイズの余地も残してくれています。
その中でもハンドルバーをPRO/RC用へ変更できる点も大きなポイントです。
今回の試乗を通してPRO/RC用の一体型ハンドルの振動吸収性がとても良いように感じました。一体型ハンドルの特性上ポジションを頻繁に変える事は困難なので、ポジションに自信が無い方はCOMPのアルミ製ステムとハンドルで自分のポジションを出した後にこの一体型ハンドルへ変更するのも非常に効果的なカスタマイズだと思います。
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SPECIALISSIMA PRO
フレームに振動吸収性の良いカウンターヴェイルを採用したモデルです。スペック上は前作SPECIALISSIMA CV DISCの後継車のように見えますが、COMP同様にスペック表から想像すると試乗してみて驚きがあるモデルです。
前作SPECIALISSIMA CV DISCは走行性能も快適性も高次元にバランスよく高められたモデルでした。しかし、PRO/RCが出た事で二つのモデルに個性を持たせる事に成功しました。
PROについては振動吸収性、快適性を高めたモデルとなります。
SPECIALISSIMA に期待されるレースまで使える走行性能は備えたまま、非常に高い快適性を持たせています。試乗コースに一部石畳風の道がありましたが、COMPやRCとは全く違う振動吸収性に驚きました。
SPECIALISSIMA の走行性能を持ってるのにOLTRE XR3の快適性を手に入れた。
ビアンキ好きの方にはこのような表現だと伝わりやすいでしょうか？
完成車がお買い得な構成ではありますが、フレーム単体も発売されていますので、コンポーネントを105Di2にして、価格差をホイールにあててDT SWISSのERC 1400 DICUTなどにしても面白いサイクリングバイクが出来るのではないかと思います。
※カウンターヴェイル＝ビアンキ独自の振動除去システム
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SPECIALISSIMA RC
OLTRE RCが「ビアンキの技術者が作りたいロードバイクを具現化したバイク」であるならば、SPECIALISSIMA RCは「トップライダーが欲している性能を具現化したバイク」である。
とビアンキはプレゼンテーションで伝えています。
OLTRE RCの剛性感は一般人が長距離を乗るのには少し身構えてしまいますが、「それはトップライダーも同じだったんだ。彼らも人間なんだ。」と、
プレゼンテーションを聞いた後にSPECIALISSIMA RCに乗るとそんな感想がまず思い浮かびました。
もちろんしっかり踏み込めばトップ選手でも必要十分な加速性能を持っている一方、巡行時は非常に快適性が高く、登りでダンシングしても低重心で気持ち良い。終始「気持ち良い」を感じれるバイクです。
前作SPECIALISSIMA CV DISCと比較すると若干振動吸収性は劣っているように感じますが、そこは近年ロードレース界でも一般的になっているワイドタイヤに任せているのでないかと思います。
※試乗車は完成車標準設定の26Cでした。
レースでの用途はもちろん、PROほどは振動吸収性はいらないと言う方にはサイクリングでも気持ちよくライド出来る懐の深さは前作同様持ち合わせた上で、走行性能にさらに磨きをかけたモデルであると感じました。
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