人気のサイクルスポーツ。サイクルロードレースなどをはじめとする競技スポーツから、ゆっくり景色や食べものを楽しむサイクリングまで様々あります。そんなサイクルスポーツの魅力を、プロフェッショナルコーチの青山剛氏の視点で毎月発信していきます。
Vol.2「移動がエクササイズに代わる乗り方とは?!
~ママチャリでも美脚に!~」
先月から始まったこのコラムでは、サイクルスポーツの魅力や運動効果、そしてその正しい方法などをプロフェッショナルコーチの視点で紹介していきます。
初回のコラムではサイクルスポーツの様々な種類をご紹介しましたが、もちろんまだそのようなスポーツ自転車をお持ちでない方が多くいらっしゃると思います。そのような方にまずお勧めしたい自転車はシティサイクル、俗にいう写真のようなクロスバイク(ビアンキのカテゴリーではシティとスポーツサイクル)になります。
その特徴はハンドルが真っすぐで、ギアが数段付いています。そして普通のシューズで乗れるペダル(フラットペダルといいます)で車体も軽く、街乗りを快適に=移動がエクササイズに代わるのがこの自転車の最大の特徴です。
と言っても、こちらをすぐに買って乗れる方も少ないわけですから、今お持ちの街乗り自転車、いわゆるママチャリでも、このシティサイクルに近いエクササイズ効果が得られる方法を紹介します。
■その1:ハンドルは寄りかからず「少し引く」べし!
通常のママチャリに乗っている人は、だいたいハンドルに寄りかかり気味で握っています。
そうなると脚だけでペダルを漕ぐことになり、脚ばかりが疲れ、極端にいうと「脚が太くなりやすく」なります。ランニングする時に腕を振らないで走るようなもので、脚への負担が増すのです。ハンドルは軽くに握り、少し自分の体の方へ引いてあげるようにしましょう。
*写真は分かりやすくシティサイクルです。
■その2:ペダルの中心に親指の付け根を置くべし!
次はペダルへの足の置き方です。親指の付け根(母指球)の位置と、ペダルの中心(シャフト)を合わせて置きましょう。この位置に置くことで力がしっかりペダルに伝わり回転も上がりやすくなります。つま先により過ぎるとふくらはぎが、踵より過ぎると前腿が張り過ぎて疲れるばかりか、太くなる可能性があります。
■その3:ガシガシ踏むのではなく、クルクル回すべし!
ハンドルの正しい持ち方、そしてペダルへの正しい足の置き方が分かったらいざ出発。
乗り出したらペダルは「ガシガシ踏む」のではなく、「クルクルと回す」意識です。
自転車のペダルの根本(クランク)は丸くついています。よってガシガシ踏む=ピストン運動ではなく、クルクルと回す=回転運動を意識することが、一番効率が良く快適に乗ることに繋がります。ギア付きならいつもより少し軽めのギアにして「自分の体の前で脚を回す」意識だとよりGOODです。
そして、効率よくペダルを回すためには、その1とその2のハンドルの持ち方とペダルへの足の置き方がとても重要です。これらはロードバイクなど本格的にサイクルスポーツをする方でも共通している基礎になります。
移動がエクササイズに代わる正しい乗り方すれば、
・脂肪が燃えやすくなる
・美脚になる
・健康になる
など、いいこと尽くしですから、ちょっとした意識から変えていきましょう。
でも、やっぱりスポーツサイクルにしたほうが、簡単に効率よくエクササイズになることだけは確かです(笑)。
*撮影協力:プレサイド
■青山 剛 (あおやま たけし)
元トライアスロン日本代表。その後コーチに転身しトライアスロン女子五輪代表を輩出。
現在はプロフェッショナルコーチとして競技者から子ども、シニアまで幅広い層にトレーニング指導を行っている。全国で講演、セミナー、教室なども開催中。著書多数。
国内唯一のビアンキブランドアンバサダーとして、正しいサイクルスポーツの普及発展にもあたっている。